(1) 結論
犬は夜になると体温・血行が変わりかゆみを感じやすくなります。
これはもともとの体の仕組み上、そうなりやすいのです。
この記事では、獣医時の立場から”今日からすぐ出来るケア”と”受診すべき痒み”の線引きをわかりやすく解説します。
(2) 原因
犬が夜に余計かゆみが増していると感じる理由は
実は人においても、同じように考えられています。
- 1.夜になると自律神経がリラックス状態になり、かゆみを抑える働きが弱まる。
→寝る前・布団に入ると掻く、一緒に寝ているとガサガサ掻く音が聞こえるのはかゆみがこのメカニズムで強まるから!
- 2.血行の変化で深部体温が上がる
布団に入ると痒くなるのは人も一緒です。暖かい→血行が良い→かゆみも増す
- 3.掻くことで始まる悪循環
掻くことでさらに血管が障害されバリア機能が減り、散歩でくっついたアレルゲンや布団に潜むアレルゲンとの接触によるアレルギー反応が起こりやすくなります。
さらに眠れないストレスはさらなるかゆみ行動を引き起こし、さらに痒くなるという悪循環を発生させています。
(3) 家庭でできるケア
- ①散歩後はアレルゲンの除去を!
散歩後にはアレルゲンを家に持ち込まないようにしっかりとグルーミングを行いましょう。
特に大事なのは、アレルギー反応の出やすい
・顔周り、特に耳
・手足
・内股や陰部まわり
です。ブラシなどで全身の汚れなどを軽く落としたあと、湿らせたタオルなどで優しく拭いてあげましょう。手足の汚れが強い場合には、石鹸や低刺激の洗浄剤で洗ってあげられるとより良いです。
毎日洗う場合には、より低刺激なものとして、石鹸がおすすめです!
- ②かゆみ対策の基本は”保湿”
綺麗にした後には保湿をして皮膚のバリア機能を高めてあげましょう。
皮膚の表面には油の層があり、それが水分の蒸発を防ぎ、バイ菌の増殖やアレルゲンの侵入を防いでいます。
この油の層と水分を足してあげるのが、保湿です。
保湿にはセラミド・リピジュアなどの成分が配合されたものがおすすめです。犬の皮膚トラブル向けの商品は後日まとめたいと思います!
- ③環境整備
寝る部屋の温度は高すぎず低すぎず。
基本的には快適温度・快適湿度でOKです。この中で、本人の様子を見て調節してあげましょう。
夏:25~28度
冬:18~22度
湿度:年間を通じて40~60%
また、環境としてはベットにも注目!冷えるクールマットを利用したり
ベッドを清潔に保つことも重要です。
清潔に保つためには、過度の消毒薬・化学品は使わずに安全な製品を利用しましょう。
- ④食事管理・サプリメント
言わずもがな、体は食べ物から作られています。
皮膚のバリア機能を高めるサプリメントを使用したり、食生活そのものを見直す(主食の変更をする)ことでも痒みが変化することがあります。
おすすめのサプリや食事変更のポイントは別記事にて紹介していきたいと思います!
(4) 注意点・NG例
・温度管理は過剰にならないように
→人が我慢したり、体調不良にならないように
・カラーや服で物理的に搔けないようにする。
→さらにストレスとなり悪循環を引き起こします
(5) 受診ライン
- ①夜だけ掻いているように見えて、実は日中も掻いている。
具体的には、食事中や、遊んでいる最中にも掻く行動が見られる場合は、強い痒みと言えます。
- ②皮膚に傷や炎症、脱毛が見られる場合
バリア機能が破綻し、悪循環が始まっており、自宅ケアだけでは改善が難しいケースが多いです!
これらの場合にはなるべく病院へいって、獣医師による適切な診断のもと、効果的なお薬を使って、まずかゆみの悪循環をストップさせてあげましょう!
ステロイドや西洋医薬に頼らない治療として最近は漢方薬をアトピー性皮膚炎に利用することもできます。
受診が必要なライン=重症というわけではありません。このくらいの症状が出てきた早期に受診してあげれば、より短期間で治しやすくなります。
(6) まとめ
かゆみは夜に増してしまうことは体の仕組みとして当然なこと!
辛いかゆみは早めに動物病院を受診し、落ち着いてから自宅でのケアで
快適な夜を過ごせるようにしてあげましょう。
【筆者の補足;アトピーと漢方薬】
筆者はアトピー性皮膚炎ですが、漢方薬でかゆみが改善した経験があります。
犬猫にも応用できるため、別記事で詳しく解説します!

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